【導入】子供のゲームやりすぎに悩む親が急増中
コロナ禍以降、子供が自宅にいる時間が増えたことで、「ゲームをやりすぎて困っている」という声を多く耳にするようになりました。学校から帰宅するとすぐにスマホやゲーム機を起動し、食事や宿題をそっちのけでゲームに没頭してしまう……。
親としては「もう少し勉強してほしい」「無理やりやめさせると関係が悪くなりそう」と葛藤している方が多いのではないでしょうか。
実は、適度なゲームは息抜きや友達との交流手段になりますが、やりすぎると生活リズムを崩したり、学業や人間関係に悪影響が出ることが少なくありません。そこで本記事では、子供のゲームやりすぎの原因やリスク、そして具体的な対策を10個のステップに分けてご紹介します。
私自身もかつてはゲーム依存に苦しんだ時期があり、放置した結果、勉強や日常生活に大きな支障をきたしてしまった経験があります。同じような辛い思いをする方を一人でも減らしたいという思いから、この記事を執筆しました。親御さんができる対策をしっかりと把握し、子供と一緒に健康的なゲームとの付き合い方を見つけていきましょう。
子供がゲームをやりすぎる原因とは?
まず、「なぜそこまでゲームにのめり込んでしまうのか」を考えなければ、対策も的外れになってしまいます。ゲームをやりすぎる原因には、いくつかの特徴的なパターンがあります。下記で代表的な5つの理由を挙げてみましょう。
達成感や報酬が得やすい
ゲームは短い時間の中でレベルアップやアイテム獲得といった“目に見える成果”を得ることができます。子供にとっては日常のストレスから解放され、「自分はできる」「もっと強くなりたい」という強いモチベーションにつながりやすいのです。勉強やスポーツでは成果が出るまでに時間がかかる場合が多く、一方でゲームは即時の快感を得やすいため、どうしてもやりすぎにつながってしまうことがあります。
友達とのコミュニケーションツールになっている
現代では、オンラインゲーム上で友達やクラスメイトと会話しながらプレイすることが一般的になっています。SNS感覚でチャットやボイスチャットをしながら遊ぶことで、子供にとってはゲームが大切なコミュニケーション手段になっているのです。友達がオンラインにいるときに自分だけゲームをしないと、仲間外れになってしまうという不安から、ついつい長時間プレイしてしまうケースも少なくありません。
他に熱中できる趣味がない
子供がゲーム以外に強く興味を持つものがない場合、どうしてもゲームが唯一の楽しみになりがちです。部活や習い事、趣味を見つける前の小学生や、中学生以降でも勉強や部活にモチベーションが見いだせない子供は、ゲームがストレス発散の場として機能している可能性が高いです。
ストレスや寂しさのはけ口
現代の子供たちは、思春期ならではの悩みや学校でのトラブル、家庭環境の変化など、多くのストレスを抱えています。その逃げ道としてゲームに没頭し、現実世界の悩みから目を背けようとすることがあります。また、親や兄弟とのコミュニケーション不足が寂しさにつながり、それをゲームで埋め合わせるというケースも考えられます。
親が忙しく放置しがち
共働きの家庭が多くなり、親も帰宅が遅くなると、子供は家で一人で過ごす時間が長くなります。そうなると、やはり手っ取り早い暇つぶしはゲームになりがちです。親が忙しく、子供にかまう時間を十分にとれないと、いつの間にかゲーム時間が増えてしまい、やりすぎの状態に陥ることがあります。
ゲームやりすぎが及ぼすリスクと影響
子供がゲームに夢中になるのは、ある程度は自然なこととも言えます。しかし、行き過ぎれば生活リズムや学業、人間関係に深刻な影響が及ぶことを見逃してはいけません。ここでは代表的なリスク・悪影響を整理してみましょう。
睡眠不足・生活リズムの乱れ
ゲームに熱中すると、寝る直前までゲーム機やスマホを手放さない子も多いでしょう。深夜までオンラインに接続し、仲間と遊び続けることで、翌朝の起床が遅くなったり、学校で居眠りするなど生活リズムが大きく乱れます。成長期の子供にとって十分な睡眠は心身の発達に欠かせません。慢性的な寝不足は集中力低下や免疫力の低下など、長期的に見ても深刻な問題へ発展する可能性があります。
学習意欲の低下
帰宅後の時間や休日をほぼゲームに費やしてしまうと、宿題をこなす時間が不足したり、学習へのモチベーションが下がってしまいます。テスト勉強に手がつかないまま点数が低迷すると、さらに自己肯定感が下がり、またゲームに依存するという悪循環に陥ることもあります。
コミュニケーション力の低下
ゲーム内でのチャットやボイスチャットが増える一方、家族やリアルな友人との会話が減少してしまいます。オフラインの場面でコミュニケーションをとる機会が少なくなると、相手の表情や声のトーンを感じ取る力、いわゆる“対面でのコミュ力”が育たないままになってしまうことが懸念されます。
イライラや衝動性の増加
ゲーム中は dopamine(ドーパミン)という快感をもたらす物質が脳内で分泌されやすいと言われています。これが一種の依存状態を引き起こす原因と考えられ、ゲームを取り上げられるとイライラして暴言を吐いたり、反抗的な態度をとる子供がいるのも無理はありません。親が制限をかけようとすると衝突が増え、家庭内の雰囲気が悪化してしまうこともあります。
子供のゲームやりすぎを防ぐ10の対策
ここからは、具体的にどのような対策を取れば良いのかをご紹介します。いずれも今日から実践できるものばかりなので、ぜひ取り入れてみてください。
家族でルールを明確に決める
やみくもに「ゲームはダメ!」と禁止してしまうと、子供と対立が深まるリスクがあります。そうではなく、**「1日何時間まで」「平日は何時まで」**といった制限を、子供と一緒に話し合いながら決めることが大切です。
- 例:平日は1日1時間、21時以降はゲーム禁止
- 休日は2時間まで、やる前に宿題を終わらせること
決めたルールは紙に書いて、冷蔵庫やリビングなど目に見える場所に貼っておくと効果的です。親も一緒にルールを守る姿勢を見せると、子供も「不公平だ」とは感じにくくなります。
ゲーム時間の制限アプリや機能を活用する
スマホやタブレット、家庭用ゲーム機には、ペアレンタルコントロール機能が備わっている場合があります。一定時間が経過すると自動的に制限がかかる設定や、夜間はネット通信が切れるようにする設定など、テクノロジーを賢く利用するのも一つの手です。
- iOSやAndroidのスクリーンタイム機能
- Nintendo SwitchやPlayStationのペアレンタルコントロール
ただし、過度に厳しく設定すると、子供は「どうにかして抜け道を探そう」とするかもしれません。あくまで補助的なツールとして活用し、根本的には家族のルールとコミュニケーションでコントロールするのがおすすめです。
ゲーム以外の楽しみを見つけるサポート
ゲーム以外に熱中できる趣味や活動を見つけることは、**「ゲームが唯一の娯楽」**という状況を打破するためにも非常に重要です。
- スポーツ系:サッカーやバスケなどチームプレイが楽しめるもの
- 芸術・文化系:音楽、絵画、書道、読書など
- アウトドア活動:キャンプ、釣り、ハイキング
親御さん自身が子供と一緒に取り組んでみると、親子のコミュニケーションも増え、ゲームに割く時間を自然と削減することができます。
一緒にゲームの内容を確認・共有する
子供がどんなゲームをしているのか、まったく知らないままだと、暴力的な描写や過度な課金要素があるゲームをしていても気づかないことがあります。
- 親子で一度ゲームを一緒にやってみる
- ストーリーの内容や課金要素を確認する
- 危険性を感じたら一緒に話し合う
このように、親が理解を示しながら制限すべきポイントを明確にすると、子供も納得しやすくなります。
家庭内のコミュニケーションを増やす
食事中や家族で過ごす時間に、親もスマホやテレビばかり見ていませんか? 子供のゲームやりすぎを注意する前に、まずは家庭内での会話や触れ合いを増やす努力が大切です。
- 「今日あったこと」をお互いに話す時間を毎日設ける
- 週末には家族で食事やレジャーを楽しむ計画を立てる
- 食事の時間はスマホをテーブルに置かない
子供が「家に帰ったらゲーム以外にも楽しいことがある」と感じるようになると、自然とゲーム時間が減っていくケースも多いです。
親がゲームやスマホを触る時間を見直す
「子供にはゲームをやめさせたいけれど、親はずっとスマホをいじっている」――これでは子供は納得できません。
- 親がまずスマホやSNSの使用時間を意識してみる
- ゲームや動画視聴の時間を減らし、子供との時間を増やす
子供は親の行動をよく見ています。親が模範を示すことで、子供も「自分も我慢しよう」と思いやすくなります。
目標を一緒に設定し、励ます
ただ「時間を減らそう」と言うだけでなく、他の目標や楽しみを一緒に設定するのがおすすめです。
- 「週末までに漢字10個を覚えたら1時間だけゲームを延長してOK」
- 「テストで○点以上取れたら新しいゲームソフトを考える」
ゲームをまったく禁止するのではなく、努力次第でゲームを楽しめる環境を作ることで、子供にとっても頑張る意義が生まれます。
ゲームの課金には特に注意を払う
近年はスマホゲームの課金要素が深刻化し、親のクレジットカード情報を利用して高額請求が来るトラブルも報告されています。
- パスワードや指紋認証などの管理を徹底する
- 定期的に課金履歴や請求書をチェックする
- 子供と「課金は必要か」について話し合う
一度課金で欲しいアイテムを手に入れる快感を覚えると、子供が自制できなくなるリスクもありますので、未然に防ぐ工夫が必要です。
深夜や就寝前はデバイスを預かる/リビング保管
「部屋にこもって深夜までゲーム」という状況を防ぐには、就寝時間前にゲーム機やスマホをリビングに置いておくルールを作ると効果的です。
- 夜21時以降は親が預かる
- リビングに専用の充電スペースを設け、子供の部屋には持ち込まない
最初は反発があるかもしれませんが、ここは一貫したルールを徹底することが重要。子供の健康的な生活を守るための親の愛情だと根気強く伝えましょう。
専門機関やカウンセリングの利用も視野に入れる
もし子供のゲーム依存が深刻化し、家族のルールではコントロールできないほどになっている場合は、専門家の力を借りることも検討しましょう。
- 小児科や精神科で相談
- 学校のスクールカウンセラー
- 市区町村の子育て相談窓口
「自分たちだけで解決しよう」と抱え込むと、対応が手遅れになるケースもあります。早めに専門家に相談することで、子供の将来を守ることができます。
ゲームとの“上手な付き合い方”を身につけるためのコツ
ここまで紹介した対策を活かしつつ、ぜひ覚えておいていただきたい考え方があります。それは、**「ゲームそのものを完全に否定するのではなく、上手にコントロールする」**という視点です。
ゲームはリフレッシュや友達との交流手段になるメリットもあります。問題なのは、やりすぎることで生活のバランスを崩してしまうこと。子供と対立するのではなく、
- どんなゲームを、どの程度まで楽しむのか
- 学校の宿題や他の家族行事を優先する意義
を、日常会話の中で繰り返し共有し、落としどころを一緒に見つけることが大切です。
こんなときは要注意!ゲーム依存症のサイン
一定のルールや対策でコントロールできればよいのですが、場合によっては医療の介入が必要なゲーム依存症の疑いも考えられます。以下のような兆候が見られる場合は、放置せず早めに対応を検討しましょう。
- 食事や入浴も忘れるほどプレイに没頭する
- 親が何度声をかけても応じない
- 生活必需行為を後回しにしてしまう
- ゲームを取り上げられると極端に不機嫌、暴力的になる
- ドアを壊したり、物を投げるなどの暴力行為
- 親子のコミュニケーションが成り立たない
- 成績が急激に下がる・学校生活に支障が出る
- 宿題をほとんど提出しない
- 遅刻や欠席が増える
- リアルのコミュニケーションが極端に減少
- 友達との遊びや家族との会話に興味を示さない
- ゲーム内でしか自分の居場所がないと感じている
- 借金をしてまで課金する
- クレジットカードの無断使用
- 金銭面で深刻なトラブルを起こす
これらのサインが強く出ている場合は、ゲームやりすぎというレベルを超えている可能性があります。精神科や小児科、カウンセリング、学校の先生との連携など、早期に適切なサポートを受けましょう。
放置すると私のようにつらい思いをする可能性も…【体験談リンク】
実は私自身も、子供の頃からゲームに熱中しやすい性格で、気づけば勉強は二の次になり成績がどん底になった経験があります。
私の体験談については、こちらの記事もご覧ください:

ぜひ早めに対策をとってみてください。
まとめ:家庭ルールとコミュニケーションで解決へ導こう
子供のゲームやりすぎを防ぎ、健全に育ってほしいと願うのは、すべての親御さんに共通する想いだと思います。ここまで紹介した対策をまとめると、以下のポイントが重要になります。
- 原因を理解する
- ゲーム依存に陥る背景には必ず理由がある。報酬系の刺激、友達とのつながり、他の趣味の不足など。
- 家族ルールを明確にし、一貫して守る
- 「平日は○時間まで」「夜は○時まで」など、親子で合意形成し、紙に書いて貼り出す。
- ゲーム以外の楽しみを一緒に見つける
- スポーツや趣味、家族のレクリエーションで、ゲームに代わる熱中先を提供する。
- 親子のコミュニケーションを増やす
- 食事中のスマホ使用をやめる、週末は家族で出かけるなど、子供がゲーム以外で満たされる環境を整える。
- 専門家の力を借りることも検討
- ゲーム依存の兆候が強いなら、医療機関やカウンセラー、学校との連携を早めに行う。
子供にとっては、ゲームが人生の全てに思える時期があります。強制的に取り上げるのではなく、親子で対話を重ねながら「どのように付き合うか」を考えていくことが大切です。子供が自発的にコントロールする術を身につければ、将来的に別の形の依存(SNS依存や大人になってからのギャンブル依存など)に陥りにくくなるでしょう。
もし今まさに「うちの子がゲームやりすぎかも」と感じているなら、ぜひ本記事で紹介した方法の中から取り組みやすいものから始めてみてください。小さなステップを積み重ねることで、子供は少しずつ「ゲームをコントロールする」感覚を身につけていきます。親が寄り添ってあげることで、きっと子供も安心して新たな一歩を踏み出せるはずです。
さいごに
本記事が、子供のゲームやりすぎに悩む親御さんの一助になれば幸いです。
日常生活のちょっとした工夫から始めて、子供と一緒に健康的なゲームとの付き合い方を確立していきましょう。
親子の未来が明るいものになるよう、応援しています。
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